ホンダ(本田技研工業)は二輪・四輪・航空機・ロボットまで手がける日本を代表するメーカーです。創業者・本田宗一郎の「やらまいか」精神と、マン島TTレース1〜5位独占・F1でセナとの黄金時代・世界初のマスキー法適合エンジンという輝かしい挑戦の歴史を持つ一方で、タカタ製エアバッグ問題・日産との経営統合破談・上場来初の最終赤字という深刻な局面が現在進行形で続いています。

ホンダの歴史

創業と二輪での世界制覇(1948〜1962年)

1948年、本田宗一郎と藤沢武夫が静岡県浜松市で本田技研工業を設立しました。本田宗一郎が技術・製品開発を担い、藤沢武夫が経営・財務を担うという完璧な二人三脚体制が、ホンダの強さの根源となりました。創業理念は「夢」——技術で世界を驚かせるという純粋な動機に貫かれた企業でした。

1959年、ホンダは英国マン島で開催されるTTレースに参戦し、125ccクラスで1〜5位を独占するという衝撃的な結果を残します。「二輪の世界チャンピオンになってから四輪に参入する」という本田宗一郎の宣言を有言実行したこの快挙は、ホンダというブランドの本質を示すものでした。

四輪参入と通産省への反骨(1963年〜)

1963年、ホンダは四輪自動車に参入します。当時の通商産業省(現・経済産業省)は「国内メーカーが乱立すると競争力が分散する」として新規参入を認めない方針でしたが、本田宗一郎はこれを無視して参入を強行しました。「官に言われて商売するのは商人ではない」という姿勢はホンダのDNAとなり、後のF1参戦・アメリカ進出・独自路線の礎となります。

CVCCエンジンとマスキー法(1972年)

1972年発売のシビックに搭載されたCVCC(複合渦流調速燃焼)エンジンは、世界で初めてアメリカの厳しい排ガス規制「マスキー法」に適合した内燃機関です。GM・フォード・クライスラーが「マスキー法は達成不可能」として規制緩和を要求していた時代に、日本の中堅メーカーが世界初の適合エンジンを開発したことは世界中を驚かせました。この出来事がホンダを「環境技術の先駆者」として世界に印象付けました。

F1黄金時代とセナ(1984〜1991年)

1983年にF1に復帰したホンダは、ウィリアムズ・マクラーレンにエンジンを供給し、1984〜1991年の8年間でコンストラクターズ選手権6回・ドライバーズ選手権7回を制覇しました。特にアイルトン・セナとの関係は特別で、セナは「ホンダのエンジンなくして私のチャンピオンはなかった」と語っています。この時代のホンダはF1で圧倒的な技術力を誇り、「ホンダのエンジンが欲しい」と他チームが懇願するほどでした。

VTECとNSX(1989〜1990年)

1989年に初代NSXが発売されます。「スーパーカーを日常的に使える車にする」という発想で開発されたNSXは、フェラーリに匹敵する走行性能を持ちながら、信頼性・快適性・視界の良さを備えたミドシップスポーツです。開発にはアイルトン・セナが試乗してサスペンションセッティングに助言したという逸話が残ります。

同時期に登場したVTEC(可変バルブタイミング・リフト電子制御システム)は、低回転では燃費優先・高回転では高出力という相反する特性を両立した革新的なエンジン技術です。「V-TEC kicked in, yo」という言葉がアメリカのカルチャーに染み込むほど、VTECはホンダのスポーティーなイメージを世界に定着させました。

2000年代以降の迷走と復活

2000年代に入ると、ホンダは一時F1から撤退(2008年末)・リーマンショックによる業績悪化・タカタ製エアバッグ問題と試練が続きます。2015〜2017年のマクラーレンとのF1パートナーシップは「GP2エンジン」とまで酷評されるほどの失敗に終わりました。しかし2019年からレッドブルへのエンジン供給でF1に再挑戦し、2021年のマックス・フェルスタッペンの世界選手権獲得に大きく貢献しました。

現在の経営状況(2026年7月時点)

2025年度(2026年3月期):上場来初の最終赤字

2026年3月期の通期決算では、売上収益は前年同期から0.5%減の21兆7,966億円となりましたが、EV関連損失が直撃して上場来初となる最終赤字4,239億円を計上しました。営業損益は4,143億円の赤字(前期は1兆2,134億円の黒字から1兆6,278億円悪化)となりました。EV関連損失は1兆5,778億円——うち営業利益への影響だけで1兆4,536億円に達しました。

指標2025年度(2026年3月期)前期比
売上収益21兆7,966億円−0.5%
営業損益−4,143億円(赤字)前期+1兆2,134億円から転落
当期純損益−4,239億円(上場来初の赤字)前期+8,358億円から転落
四輪販売台数338万7,000台−32万9,000台
二輪販売台数2,210万1,000台+152万9,000台(過去最高)

なお、EV関連損失を調整すると、営業利益・当期利益はプラスに転じており、本業の実力は損なわれていないとの見方もあります。二輪事業は過去最高の販売台数・営業利益・営業利益率を達成しており、ホンダグループ全体では事業の強さが維持されています。

EV戦略の大幅見直し

ホンダは2026年に4輪電動化戦略の抜本的な見直しを発表しました。EV一辺倒の方針を転換し、リソースをHEV(ハイブリッド)へ再配分する方針へと舵を切りました。市場別では日本・米国・インドを重視し、モデルラインアップの拡充とコスト競争力の強化を進めます。EV関連の損失(最大2兆5,000億円と試算)を一括計上してでも、現実的な電動化戦略に転換するという経営判断です。

日産との経営統合破談(2025年2月)

2024年12月に締結していたホンダ・日産・三菱の経営統合に向けた基本合意書が、2025年2月13日に解約されました。わずか約50日での破談は業界を驚かせました。ホンダが日産の完全子会社化を提案したことへの日産側の抵抗、日産の意思決定の遅さへのホンダの不満、三菱の乗り気でない姿勢などが複合的な原因となりました。経営統合は破談となりましたが、EV開発・ソフトウェア分野での技術提携は継続されており、再統合の可能性を論じる声が絶えない状況です。

現行車種ラインナップ

軽自動車

車種カテゴリ特徴
N-BOX軽スーパーハイトワゴン2023年フルモデルチェンジ。国内販売台数で長年首位を争う軽自動車の王者。Honda SENSING全車標準。
N-BOXカスタム軽スーパーハイトワゴン(スポーティ)N-BOXのスポーティグレード。アグレッシブなフロントフェイスで人気
N-ONE軽ハッチバックデザイン重視の軽。RS(マニュアルあり)でスポーツ性も
N-WGN軽ハイトワゴンスタンダードな軽ハイトワゴン。シンプルな使い勝手が評価
N-VAN軽商用バン助手席を格納してフルフラットになる独自機能。車中泊需要でも人気

コンパクト・ミニバン

車種カテゴリ特徴
フィットコンパクトカー2026年7月22日の価格.com週間アクセスランキング1位。独自の低重心センタータンクレイアウトで後席・荷室の広さを実現。e:HEV設定あり
フリードコンパクトミニバン2024年フルモデルチェンジ。シエンタと首位を争うコンパクトMPV。e:HEV・7人乗り・アウトドア仕様「AIR」「CROSSTAR」設定あり。同ランキング3位
ステップワゴンミニバン2022年フルモデルチェンジ。e:HEVのスパーダが主力。後席スライドドアを両側に設定。同ランキング4位
オデッセイラージミニバン2023年に復活。低床・低重心のミニバン。2026年中に生産終了の可能性が報じられており、後継SUV「パイロット」が2027年2月以降に日本導入予定
プレリュードクーペ(e:HEV)2024年に約20年ぶりに復活。e:HEVのみ設定。クーペスタイルで走りの楽しさを重視。今や貴重なクーペモデル

SUV

車種カテゴリ特徴
WR-VコンパクトSUV(インド生産)ホンダSUVラインの最低価格帯。ガソリンのみ・4WDなし。コスパ重視のエントリーSUV
ヴェゼルコンパクトSUV同ランキング2位。e:HEV・4WD設定あり。スタイリッシュな内外装と走りが高評価
ZR-VミドルSUVスポーティな走行性能重視のSUV。e:HEV・4WD設定。欧州でも販売
CR-VミドルSUV(大型)北米での主力モデル。日本では上級SUVとして位置づけ。PHEV設定あり

セダン・スポーツ

車種カテゴリ特徴
アコードラージセダン2024年に日本市場へ復活。e:HEVのみ。全長5mに迫るサイズ感と高品位な内装
シビックハッチバック・セダンガソリン・e:HEV設定。TYPE Rは2.0LターボNA329ps。同ランキング5位にシビックType Rが入るほどの人気
シビックType R(FL5)ホットハッチ(最速FF)2022年発売。ニュルブルクリンクFF最速記録(当時)を保持。6MT専用。サーキットからストリートまで高い評価

売れ筋・人気車種(2026年7月時点)

価格.comの2026年7月22日集計週間ランキングでは、1位フィット・2位ヴェゼル・3位フリード・4位ステップワゴンスパーダ・5位シビックType Rの順となっています。

国内月次販売ではN-BOXがトヨタヤリスと首位争いをする常連で、ホンダの国内販売を支える最重要モデルです。グローバルでは北米市場でのアコード・CR-V・パイロット・オデッセイが収益に大きく貢献しています。

独自技術の解説

VTEC(可変バルブタイミング・リフト電子制御システム)

1989年に量産車世界初として登場したVTECは、エンジンの回転数に応じてバルブの開閉タイミングと開閉量(リフト)を変化させる技術です。低回転域では燃費・トルク重視、高回転域では出力重視のカムプロファイルに自動で切り替わります。VTECが切り替わる瞬間の独特な加速感は「VTEC kicked in」として世界中のホンダファンに愛される体験となり、ホンダのスポーツイメージを支え続けました。現在もシビックType RのK20C型エンジンに技術的な後継として受け継がれています。

e:HEV(イーエイチイーブイ)

ホンダの現行ハイブリッドシステムです。エンジン・駆動モーター・発電モーターの3ユニットを組み合わせ、走行状況に応じて最適な動力源を選択します。市街地走行では主にモーター駆動・高速巡航ではエンジン直結駆動・加速時はエンジン+モーター協調という制御が特徴です。日産のe-POWERと異なりエンジン直結モードを持つため、高速燃費でも優れた効率を発揮します。現在はフィット・フリード・ヴェゼル・ZR-V・CR-V・ステップワゴン・アコードなど主要モデルに展開されています。

Honda SENSING(ホンダセンシング)

ホンダの予防安全技術パッケージです。衝突軽減ブレーキ(CMBS)・誤発進抑制機能・歩行者事故低減ステアリング・車線維持支援システム(LKAS)・アダプティブクルーズコントロール(ACC)などを組み合わせています。現在はほぼ全車種に標準装備されており、特にN-BOXへの全車標準化は軽自動車業界の安全基準を引き上げるきっかけとなりました。2026年には上位版「Honda SENSING 360」(全方位監視)・「Honda SENSING Elite」(渋滞時のハンズオフ走行)の展開も進んでいます。

センタータンクレイアウト(CTL)

フィット・フリードに採用されているホンダ独自の設計思想です。燃料タンクを前席下の中央に配置することで、後席下のスペースを確保し、後席シートを床面まで格納できる「マジックシート」が実現します。コンパクトなボディでありながらクラス最大水準の室内空間を生み出す根幹技術です。

PHEV・EV技術

ホンダはCR-VにPHEVシステムを搭載しています。また、2026年3月期にEV関連損失を一括計上したことで、EV戦略の転換を明確にしました。今後はHEV(e:HEV)を中心に電動化を進め、BEVは中国・北米市場向けの一部モデルに絞って展開する方針です。

グレード体系

グレード区分位置づけ
B・G・Xなどエントリー〜スタンダードグレードフィットB・ヴェゼルX
Honda SENSING安全装備追加グレードN-BOX Honda SENSING(軽で標準化の先駆け)
EX・TOURING上位グレードフリードEX・アコードTOURING
スパーダスポーティ上位グレードステップワゴンスパーダ(専用デザイン・装備充実)
AIR / CROSSTARアウトドア志向グレードフリードAIR(ルーフキャリア対応)・フリードCROSSTAR
TYPE R最高性能スポーツグレードシビックType R(6MT・329ps・ニュル最速FFの称号)
RSスポーツグレードN-ONE RS(MT設定あり)・シビックRS

不祥事・問題の歴史

タカタ製エアバッグ問題(2013年〜)

ホンダが長年採用していたタカタ製エアバッグのインフレーター(膨張装置)が破損し、金属片が車内に飛散する欠陥が世界規模で発覚しました。死亡・重傷事故が多数報告され、最終的にホンダ車を含む全世界で1億台超という史上最大規模のリコールへと発展しました。タカタ自体は2017年に経営破綻しましたが、ホンダはサプライヤーへの管理責任も問われ、多大なリコール費用と信頼失墜を経験しました。

F1マクラーレンとの失敗(2015〜2017年)

2015年にF1復帰を果たしたホンダでしたが、マクラーレンに供給したパワーユニットは著しく信頼性が低く、フェルナンド・アロンソから「GP2エンジン」と無線で酷評される事態に。3シーズンでわずか2勝という惨敗でマクラーレンとの提携を終了しました。ホンダのF1エンジニアリングへの批判は国内外で根強く、「ホンダF1は何をやっているのか」という声が広まりました。

EV戦略の失敗と上場来初の最終赤字(2026年)

2026年3月期に計上したEV関連損失は1兆5,778億円に達し、これが当期純損益を1957年の東証上場以来初めての赤字(4,239億円の最終赤字)に押し込みました。EVシフトを急ぎすぎた結果、EV需要の伸び悩みと市場の方向性の変化によって、大規模な戦略転換を迫られたものです。

日産との経営統合破談(2025年)

2024年12月に突如として発表されたホンダ・日産・三菱の経営統合構想は、わずか約50日後の2025年2月に破談となりました。日産の意思決定の遅さ・ホンダが日産を完全子会社化する提案への反発・三菱の消極姿勢が複合的に絡み合った結果です。「100年に1度の変革期」に「50日で破談」という結末は、日本の自動車業界の構造的な意思決定の難しさを改めて示すものとなりました。

モータースポーツ活動

F1:Honda Racing(2026年〜)

ホンダは2021年末にF1への正式参戦を終了したものの、実質的にはレッドブルへの技術支援を「Honda Racing Corporation(HRC)」名義で継続しました。2022〜2024年のマックス・フェルスタッペンの世界選手権3連覇(2022・2023・2024年)にホンダのパワーユニット技術が貢献しています。2026年からはアストンマーティンへのPU供給という新たな形でF1に復帰する予定であり、新PU規定(2026年〜)での再挑戦が始まっています。

WEC・スーパー耐久

HRC(Honda Racing Corporation)はスーパー耐久にシビックType Rなどで参戦しています。WECへの直接ワークス参戦は現在行っていませんが、NSXをベースとしたGT3マシン「NSX GT3」でのカスタマー支援は継続しており、国内外のGT3レースに数チームが参戦しています。

SUPER GT

国内SUPER GT GT500クラスにHonda NSX-GT(最終型)で参戦してきましたが、NSX生産終了に伴い後継車両の開発が進んでいます。GT300クラスにはNSX GT3が複数チームから投入されており、日本のGTシーンでのホンダプレゼンスは継続しています。

チューニング・アフターパーツ

ホンダ純正スポーツパーツ:Modulo / Modulo X・無限(M-TEC)

ブランド位置づけ主な製品
Modulo(モデューロ)純正アクセサリー・ドレスアップエアロパーツ・アルミホイール・内装アクセサリー。フィット・N-BOX・フリード等に豊富なラインナップ
Modulo XコンプリートカーModulo Xはシャシー・サスペンション・空力を最適化したコンプリート車。ステップワゴン・フリード等に設定。運動性能と快適性を両立する純正チューニングカー
無限(M-TEC)純正系レーシングパーツホンダの準公式チューニングブランド。シビックType R向けのマフラー・サスペンション・カーボンエアロが充実。レース参戦のノウハウが凝縮

主なアフターマーケットパーツメーカー

メーカー得意分野主な対象モデル
SPOON SPORTS(スプーン)ホンダ専門チューナーシビック・インテグラ・NSX向けブレーキ・足回り・エンジン系。「走り重視のホンダ専門店」として世界的に知名度が高い
J's Racing(ジェイズレーシング)エアロ・マフラーシビックType R・インテグラ向け高品位エアロキット・チタンマフラー
TODA RACING(戸田レーシング)エンジン内部チューニングB・K・F型エンジンのハイカム・クランク・ピストン等の精密加工部品
RE Amemiya(RE雨宮)ロータリー(マツダ系だがホンダとのコラボも)特にホンダ車専門ではないが、NSX系チューニングでの実績あり
HKSチューニング全般シビックType R向けサスペンション・マフラー・ECU
CUSCO(クスコ)足回り・ボディ補強シビックType R向け車高調・ストラットタワーバー・ロールケージ

人気チューニング車種

生産拠点

国内主要拠点

拠点主な生産車種
鈴鹿製作所(三重県鈴鹿市)シビック・シビックType R・CR-V・アコード・NSX(生産終了)
寄居完成車工場(埼玉県寄居町)N-BOX・フィット・フリード。最新鋭のフレキシブル生産ライン
熊本製作所(熊本県大津町)主に二輪・四輪の部品生産

海外主要拠点

国・地域拠点主な生産車種
アメリカオハイオ州メアリーズビル・アラバマ州リンカーン工場アコード・CR-V・パイロット・オデッセイ・リッジライン等
カナダオンタリオ州アリストン工場シビック・CR-V
インドラジャスタン州タペウカラ工場WR-V・アメイズ等インド向けモデル
タイアユタヤ工場シティ・BR-V等アジア向けモデル
中国広汽本田・東風本田(武漢・広州)アコード・CR-V等。EVシフトの遅れで生産調整中

主要販売市場

市場販売台数(2025年度)状況・主力車種
北米(米国・カナダ)約160万台(最大市場)アコード・CR-V・パイロット・HR-Vが主力。関税の影響が最大の懸念材料
日本約55万台N-BOX・フィット・フリードが国内の柱。軽自動車でのシェアが特に重要
中国約65万台(急減中)EVシフトに対応できず現地合弁での販売が急落。再建策を模索中
アジア(インド・タイ等)約30万台インドが成長市場として注目。二輪は圧倒的なシェアを維持
欧州約10万台ニッチな存在。シビックe:HEV・HR-Vが主力。EV展開が課題

ホンダの評判・口コミ傾向

高く評価されているポイント

批判・不満が多いポイント

まとめ:ホンダの今と今後(2026年7月時点)

上場来初の最終赤字4,239億円というインパクトの大きい決算でしたが、EV関連損失を調整すれば本業は黒字であり、二輪事業は過去最高業績を達成するなど、本質的な事業の強さは維持されています。EV戦略の大幅転換・HEVへのリソース再配分・北米・日本・インドの3市場重点化という新方針のもと、次世代HEVモデルの投入で巻き返しを図ります。

VTECからe:HEVへ、NSXからシビックType Rへ、F1セナ時代からフェルスタッペン時代への技術供給へと、ホンダは常に「技術で時代を変える」という本田宗一郎のDNAを体現してきました。「やらまいか」精神で通産省の壁も、GP2酷評も、マスキー法も乗り越えてきたホンダが、上場来初の赤字・EV戦略転換という試練をどう突破するか——2026年のホンダから目が離せません。