高速道路を走った後やアスファルトの多い道を走り続けると、ボディの下部やドア周りに黒い粒状・油状の汚れがこびりついてきます。これがタール・ピッチ汚れです。サイドステップなど下回りの通常の洗車やカーシャンプーでは落とせないこの汚れに特化した製品が、リンレイの「ピッチ一発!」です。この記事では製品の特徴・正しい使い方・注意点を詳しく解説します。
タール・ピッチ汚れとは
タール・ピッチ汚れとは、道路のアスファルトに含まれる油性成分が、走行中の熱や摩擦で飛散してボディに付着したものです。黒い点状・粒状の汚れとしてボディ下部・フェンダー・ドア下部・フロントバンパー周辺に多く発生します。
- 油性の汚れのため、水や中性シャンプーでは溶けない
- 放置すると塗装面に固着してさらに落としにくくなる
- 無理にこすると塗装に傷がつく
- 高速道路・新設道路・アスファルト工事後の道路を走行した後に発生しやすい
こうした油性汚れを溶剤で溶かして除去するために作られたのがピッチクリーナーです。
リンレイ ピッチ一発!とは
リンレイ(株式会社リンレイ)は1954年創業の日本の老舗ケミカルメーカーで、ワックス・洗車用品・床用ワックスなど幅広い製品を展開しています。ピッチ一発!はその自動車用ラインナップの中のボディクリーナーカテゴリに属する製品で、タール・ピッチ汚れの除去に特化しています。
製品仕様
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 目的・用途 | 自動車用塗装面のピッチ及びタールの除去 |
| 容量 | 420ml |
| 主成分 | 炭化水素系溶剤(約70%)、シリコーン |
| 液性 | 溶剤系(引火性あり) |
| 価格帯 | 600〜900円前後 |
主な特徴
- 溶剤でピッチを溶かして除去:炭化水素系溶剤がタール・ピッチの油性成分を溶解し、こすらずに汚れを落とす
- ボディを傷めない:適切に使用すれば塗装面へのダメージが少ない
- シリコーン配合:除去後の塗装面に軽い保護効果をもたらす
- スプレータイプで使いやすい:ノズルを対象部位に向けてスプレーするだけで使用できる

正しい使い方・手順
使用前の準備
- 炎天下・直射日光下・ボディが熱い状態では使用しない(シミ・塗装トラブルの原因)
- まず洗車して砂・泥・ホコリを取り除いておく(砂が残った状態でスプレーすると傷の原因になる)
- ガラス・ゴムモール・未塗装部品には使用できないので、必要に応じてマスキングする
- 換気の良い場所で作業する(炭化水素系溶剤を含む引火性の製品のため)
STEP 1:汚れ箇所にスプレーする
ボディの塗装面から約20cm離してスプレーします。ノズルの向きを確認してから使用してください。一度に広い面積にスプレーするのではなく、タール・ピッチが付着している箇所にピンポイントで吹き付けます。スプレー後はそのまま放置せず、すぐに次のステップに移ります。
STEP 2:柔らかい布で優しく拭き取る
スプレー後、やわらかいマイクロファイバークロスや綿のウエスで優しく拭き取ります。ゴシゴシこするのではなく、溶剤が汚れを溶かしたものを「拭き取る」イメージで作業してください。強くこすると塗装に細かい傷がつく原因になります。
汚れが落ちない場合は、同じ箇所に再度スプレーして拭き取りを繰り返します。固着した汚れは数秒待ってから拭き取ると効果的です。
STEP 3:水で洗い流す
作業後は溶剤成分が塗装面に残らないよう、水でしっかり洗い流します。溶剤が長時間残ると塗装へのダメージが懸念されるため、作業後は必ず水洗いしてください。
STEP 4:シャンプー洗車で仕上げる
水洗いの後はカーシャンプーで全体を洗車し、溶剤・シリコーン成分を完全に除去します。シャンプー後は通常の拭き上げで仕上げてください。
使えない箇所・注意点
ピッチ一発!に含まれる炭化水素系溶剤は洗浄力が強い反面、素材によっては変色・変質・溶解を引き起こします。以下の箇所には使用しないでください。
| 使用不可の箇所 | 理由 |
|---|---|
| 未塗装プラスチック・バンパー | 溶剤が素材を侵し変色・白化・溶解の原因になる |
| ゴム部品(ドアモール・パッキン類) | 溶剤でゴムが膨潤・変質・劣化する |
| ガラス面 | 油膜が生じ視界不良になる |
| レザー・人工皮革 | 変色・変質の原因になる |
| 再塗装面・傷んだ塗装 | 塗装が浮く・剥がれるリスクがある |
| 炎天下・熱いボディ | 溶剤が急激に揮発しシミ・塗装トラブルの原因になる |
作業中に上記の箇所に誤って付着した場合は、すぐに乾いた布で拭き取り、その後水拭きしてください。
コーティング施工車への使用
ガラスコーティングや撥水コーティングが施工された車へのピッチ一発!の使用は慎重に判断してください。炭化水素系溶剤はコーティング被膜を部分的に侵す可能性があります。
- コーティング施工直後(硬化前)は絶対に使用しない
- 硬化後であっても長時間の接触は避け、スプレー後は素早く拭き取る
- コーティング専門店で施工した車両は、施工店に確認してから使用するのが安全
- ピッチ除去後はコーティング剤で補修・追いがけをすることを推奨
タール・ピッチ汚れを予防する方法
ピッチクリーナーは除去には効果的ですが、頻繁に使用するよりも汚れの付着を防ぐほうが塗装への負担が少なくなります。
- コーティング・ワックスを施工する:塗装面に保護膜があると汚れが固着しにくくなり、シャンプー洗車で落としやすくなる
- 工事中道路・新設アスファルトを避ける:特に夏場の高温時は路面からの飛散が多い
- 走行後は早めに洗車する:タール・ピッチは付着直後であればカーシャンプーで落とせることがある。時間が経つほど固着して落としにくくなる
よくある質問
ホイールのタール汚れにも使えますか?
塗装されたホイールには使用できますが、無塗装のアルミホイールや特殊加工が施されたホイールへの使用は変色・変質のリスクがあります。ホイール専用のピッチクリーナーを使うほうが安全です。また、ブレーキキャリパー・ブレーキパッド周辺には絶対に使用しないでください。
虫の死骸や樹液にも効果がありますか?
ピッチ一発!の主目的はタール・ピッチ汚れですが、炭化水素系溶剤の溶解力から、虫の死骸・樹液・油汚れにも一定の効果があります。ただし虫・樹液専用クリーナーのほうが効果的な場合もあります。
使用後にシリコーンが残ってコーティングに影響しますか?
シャンプー洗車でシリコーン成分は除去できます。コーティング前の下地処理としてピッチ除去を行う場合は、ピッチ一発!使用後に必ずシャンプー洗車・脱脂処理を行ってからコーティングを施工してください。
まとめ
リンレイ ピッチ一発!は、通常の洗車では落とせないタール・ピッチ汚れに対して即効性のある専用クリーナーです。600〜900円程度で入手でき、使い方もスプレーして拭き取るだけとシンプルです。簡単に良く落ちます。
ただし炭化水素系溶剤を約70%含む強力な製品のため、未塗装部品・ゴム・ガラスへの誤使用、炎天下での作業、コーティング施工車への使用には十分な注意が必要です。正しく使えば塗装面を傷めることなくガンコな汚れをすっきり落とせる、持っておくと便利なケミカル剤の一つです。