車を持っていると避けられない「車検」「12ヶ月点検」「24ヶ月点検」。名前は聞いたことがあっても、それぞれの違いをはっきり説明できる人は意外と少ないものです。この記事では3つの違いと、それぞれの点検項目を詳しく解説します。

3つの検査・点検の基本的な違い

まず最も大きな違いは「誰が何を確認するか」という点です。

つまり車検は「基準を満たしているかの合格証」を取得するもので、12・24ヶ月点検は「車の健康診断」と考えるとわかりやすいです。

車検とは

車検(自動車検査登録制度)は、道路運送車両法に基づく国の制度です。自動車が保安基準(ブレーキ性能・灯火類・排ガスなど)を満たしているかを2年ごとに国が審査し、合格すると車検証と車検シールが発行されます。

車検の有効期間

車検切れのリスク

車検が切れた状態での公道走行は道路運送車両法違反です。6点の違反点数(免許停止相当)と30万円以下の罰金が科せられます。また自賠責保険も失効している場合は、さらに重い処罰の対象になります。

車検の主な検査項目

カテゴリ主な検査内容
同一性確認車台番号・原動機型式・ナンバープレートの確認
外観検査車幅・全長・全高、灯火類の点灯確認、ガラスのひび割れ
ブレーキ検査制動力の測定(前後輪・駐車ブレーキ)
スピードメーター検査実速度との誤差確認
ヘッドライト検査光軸・光量の測定
サイドスリップ検査直進時のタイヤの横滑り量測定
排ガス検査CO・HC濃度の測定
下回り検査オイル漏れ・足回りのガタつき・マフラーの状態

これらは検査ラインを通過する「審査」であり、整備はあくまで事前に整備工場が行うものです。車検当日に不合格になった場合は、整備して再検査を受ける必要があります。

12ヶ月点検(法定12ヶ月点検)とは

12ヶ月点検は、道路運送車両法第48条に基づき、1年ごとの実施が義務付けられた定期点検整備です。整備工場やディーラーで実施し、点検整備記録簿に結果を記録します。

罰則は「50万円以下の罰金」と定められていますが、実際に摘発されるケースはほぼなく、未実施のまま乗り続けているドライバーも多いのが現状です。しかし万が一の事故の際、未実施であることが過失として問われる場合があります。

12ヶ月点検の主な点検項目(26項目)

カテゴリ点検項目
ブレーキブレーキペダルの踏みしろ・効き具合、パーキングブレーキの引きしろ、ブレーキ液の量
クラッチクラッチペダルの踏みしろ・切れ具合(MT車)
エンジンベルト類の張り・損傷、バッテリー液量、冷却水量・漏れ、エンジンオイル量・漏れ
灯火・計器類ランプ類の点灯・点滅、ウォッシャー液量・噴射、ワイパーの拭き取り状態
タイヤ空気圧、亀裂・損傷、溝の深さ、ホイールナットの締め付け
足回りショックアブソーバーの油漏れ・損傷、ホイールベアリングのガタ
ステアリングハンドルの遊び、パワーステアリングの液量・漏れ

24ヶ月点検(法定24ヶ月点検)とは

24ヶ月点検は、車検と同時に実施される、より詳細な定期点検整備です。12ヶ月点検の26項目に加え、さらに30項目が追加され、合計56項目を確認します。

車検を受けるときは自動的に24ヶ月点検も実施されるため、多くのドライバーは「車検の一部」と認識しています。費用は車検費用に含まれて請求されることが一般的です。

12ヶ月点検に追加される主な点検項目

カテゴリ追加点検項目
ブレーキブレーキドラム・ライニングの摩耗、ブレーキホースの損傷・漏れ、ディスクパッドの残量
エンジン点火プラグの状態、エアクリーナーの詰まり、燃料装置の漏れ
動力伝達装置クラッチディスクの摩耗(MT車)、ATフルードの量・漏れ
足回りボールジョイントのダストブーツ亀裂、タイロッドエンドのガタ、スタビライザーの損傷
車体・フレームフレームの損傷・腐食、マフラーの取り付け状態・損傷
排気系排気管・消音器の取り付け・損傷、排ガスの異常

どこで受ければいい?費用の目安

受ける場所特徴費用目安
ディーラー純正部品使用・記録が残る・安心感がある。費用はやや高め高め(10〜15万円)
整備工場・車検専門店費用が抑えられる・相談しやすい中程度(6〜10万円)
カー用品店(オートバックスなど)予約が取りやすい・明朗会計中程度(6〜9万円)
ユーザー車検自分で運輸支局に持ち込む。安いが知識が必要安い(法定費用のみ)

なお費用の大部分を占めるのは法定費用(自賠責保険料・重量税・検査手数料)で、これはどこで受けても同額です。業者ごとに差が出るのは整備費用(技術料・部品代)の部分です。

まとめ

車検はあくまで「基準を満たしているかの確認」であり、整備や修理を保証するものではありません。12ヶ月点検をきちんと受けることで、車検までの間の故障リスクを下げることができます。費用を惜しんで点検をスキップすると、結果的に大きな修理費用につながるケースも少なくありません。